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Зелёные щи(ゼリョーヌィエ・シー/緑のシー)

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 以前作った「緑のシーの素を仕込みました」を使ったスープをそう言えば紹介していなかったと思い出し丁度飲みたくなっていたので作ってみました。
 ロシアはスープ王国だと常々思っていますが、この緑のシーはとてもさっぱりしていて飽きのこない味です。
 私が作るのはВАЛЯレシピの「Зелёные щи(ゼリョーヌィエ・シー/緑のシー)」このシーの素の中には色々な青い葉を入れて塩で煮ておきます。詳しくは以前の記事をご覧下さいね。
 この中で特に絶対に入れたい物が「щавкль(シャベリ/すかんぽ)」です。これがこのスープの味の決め手となります。これだけはたっぷりケチらず入れないとなかなか思う味になりません。手持ちの料理本に掲載の緑のシーどれにも必ずこのシャベリは使われる味の決め手です。
 逆に言えば、このスカンポさえあればこのスープは出来るのでぜひ手に入る方は試してみて下さいね。

 「Любисток(リュビストク/セリ科レビスチカム属の薬草)」も芸術家さん宅ではスープへ入れる定番香草の一つ。
 実はこちらエーゲ海のひとりごと。
のyetiherderさんが掲載されていた「野草を食べよう: ΛΕΒΙΣΤΙΚΟ (レヴィスティコ)」で似た様な香草があるから調べてみようなどと思ったままずーっと放置していたもの。やっぱり同じ物でした。
 そして、こちらの記事で書かれている豆のかき揚げに我が家もやっぱり使っています。この香草とても美味しいです。

 シャベリにしろこのリュビストクにしろシベリアの地でも全く何も覆い無しで越冬する素晴らしく耐寒性の良い野草です。我が家の痩せた門扉脇畑で今年も無事に越冬しただいま新芽がゆっくり成長中です。
 毎年同じところへ生えて来るのですが、今年は去年別の物を植えていたところに新たに種を蒔き、もう少し株を増やそうと思います。
 ああ、話がそれました。この緑のシー、村ではこのスープを作る為の材料を生で揃えようと思うと夏ほんの一瞬しか揃わない為、ワーリャに教わった塩煮で保存して通年楽しむことにしています。
 今年は新鮮な香草だけで作ってみるのもまた違った味わいかもしれないと楽しみです。

[材料]
緑のシーの素    適宜
(今回は最後に仕込んだ物であまり塩味が強く無かったのでなめたけの空き容器1瓶分を使いました)
玉葱        1個
人参        1/2本
馬鈴薯       3個
ハダカムギ     1/4カップ
スープストック   1リットル
(今回は骨付き豚肉+乾燥野菜)
月桂樹の葉     3枚
塩         味を見て適宜
冷凍のシャベリ   3掴み
冷凍のリュビストク 3掴み
生のディル     一束

[作り方]
・骨付き豚肉を鍋へ入れ、水と月桂樹、乾燥野菜を布巾等で包んだ物を入れて火にかける。沸騰したら火を弱めて弱火でゆっくり出汁を取る。適宜灰汁を取る。
 骨に付いていた肉が箸で取れる様になったら骨/月桂樹/乾燥野菜を包んだ物を引き上げておく。
・玉葱と馬鈴薯はさいの目切り、人参は銀杏切りにし洗った麦とともにスープストックの中へ入れる。
・加えた野菜が柔らかくなったら緑のシーの素を加え、一煮立ちさせ、生のシャベリ/リュビストク/ディルを加えて更に味が出るまで煮込む。緑の葉がやや茶色身を帯びた緑になったら完成。

 今回は素を使っての作り方ですが、好みのスープストックに直接シャベリ等の緑の葉を入れて煮込んだり、少し野菜を足してそこへ緑の葉物を加えても美味しく作ることが出来ます。
 もう少ししたらここへイラクサを入れて頂くのも美味しいです。
 麦の代わりにお米を入れるのも好き。
 今回は異邦人の食卓のタヌ子さんが以前に書かれていた「クール・ブイヨンの素(香草と野菜のブイヨン。主に魚介類を煮る時に使用するもの)」に興味があったので、去年収穫した際によけておいた人参の葉やブロッコリーの葉、フェンネル等を乾燥させた物と普段の料理で出て来る皮や根元先っぽひからびた大蒜や生姜などをまとめておいて使ってみました。
 この香草ミックスもとても香が良くてスープが味わい深くなり気にいりました。料理に使うには表面が汚れ過ぎていたり傷ついている野菜もこうやって使うことが出来ると最後まで使い切れていいですね。

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by etigoya13 | 2011-05-08 23:03 | スープ | Comments(4)
Commented by yetiherder at 2011-05-09 04:42
リンクありがとうございます。

すかんぽ...未知の食材です。酸味があるってことはsorrel?越後屋さん、こういうの本当に詳しいですよね!

ロシア人、スープ好きですよね。広いロシアで地方色もあると思いますが、農民が昔から食べているスープ系料理は根強い人気、というのをどこかで読んだ気がします。
Commented by etigoya13 at 2011-05-09 13:18
yetiherderさん
すかんぽは日本にいたときも道で摘んで食べたりしていたので馴染みの野草です。イタドリとかも同じ味ですね。祖父が良く塩漬にしていました。
この独特の酸味はやっぱりほかではなかなか代用出来ないのです。レモンには酸味はあっても葉物の風味は無いですしね。
農民が昔から食べている=スープとパンが出せる食事はかなりましな物だったという長い食習慣からやはりスープは切り離せないのだと思います。スープ以外は何も無い時代が長かったからこそ、あのスプーンが立つ程具が多いスープの数々が生まれたのかもしれませんね。
その代わり公式の食事会ではスープは省略されるのですけれど。
Commented by タヌ子 at 2011-05-09 23:02 x
スカンポもリュストクもきっとクロアチアンいも生えているんでしょうね。
でも、食用にする習慣がなさそうで、野草を売っているスタンドでも見かけたことがありません。
手作りクールブイヨンから出た美味しい野菜出汁が更に旨味を加えてくれたことでしょう。
リンクありがごうございました。
買って一度使ったまますっかり忘れてました(汗)
救済しなきゃ!
Commented by etigoya13 at 2011-05-10 00:38
タヌ子さん
恐らくスカンポ等はあると思います。がこう言うのって村でも全く使わない人からすると「食べちゃ駄目よ」という雑草と変わりない物だから確かに難しいですね。
ちなみに芸術家さんは最初エストラゴンを止めた方が良いと言って捨てようとしたこともありました(苦笑)
クールブイヨンとても良いですね。魚料理には上手く使いこなせそうにないのですが、普通にスープ等に使うのも十分に美味しさを味わうことが出来ます。
フランス料理って全く未知(作るという意味で)の部分なのでこう言う材料を紹介して頂けるって凄く楽しいです。