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ロシアでの結婚式に参加その2 披露宴編

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 夕方、着物にバッチリ着替えて今度こそ正装(といっても絽の小紋でメチャクチャ平服ですが 汗)で披露宴へ。会場はホテルから本当に近くて真っ直ぐ歩いた突き当たりに有る日本料理のお店。
 新郎は大の日本びいき(有り難い事です)で我が家を呼ばなくてもこのお店だったとは思います。
 が、日本料理店で披露宴って大丈夫なのだろうか?と心配しましたが大丈夫でした。
 日本料理というより普通のロシアの宴席料理に日本のガッツリ系定食の定番料理が一品出て来たと言う感じだったので。
 どうもロシアで日本食レストランというと鳥居に太陽というか赤い丸でこの独特の文字がイメージらしく、どの都市でも同じ様なレイアウトです。これって大元は一つでパクリと言う事?まあ判りやすいと言えば判りやすいのですが。
 写真右の縦長の写真はここに2人の名前を書いた南京錠をつけたりする習慣をイメージしたオブジェです。
 写真左下が披露宴会場入り口から新郎新婦席を望んだところ。

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 新郎新婦及び両者の立会人以外が揃ったところで、入り口に列を作って新郎新婦を迎える準備をします。
 写真左上と下段真ん中の「パンと塩」、これが本やニュースでは見た事が有ったけれど実際に見るのは初めてというКарвай (カラヴァイ/大きな円型のパン)を使った「Хлебом-солью(フレーボム-ソーリエ/パンと塩で迎える)《大型の丸パンに塩を添えて客を迎えるロシアの古い習慣》研究社露和辞典より」
 こういう儀式を見る事が出来るって興味深くて良いですね。このパンを持っているのが新郎の母である芸術家さんですが、彼女達の出身地モルドヴァで男性が結婚式の時に襷掛けにするという帯にパンを乗せて持っています。とても素敵な薔薇の刺繍が施されています。(この帯は男性しかつけないのだそう)
 今回の丸型パンは真ん中が円柱状に空洞(クグロフやシフォン型のように真ん中が抜けている感じ)になっていて、そこへ杯に入れた塩が置かれています。
 写真下段左端で2人が一緒にパンをかじっていて、下段右端で新郎がちぎった二切れのパンをそれぞれ持ち、それぞれに塩をかけて食べています。
 これでこの儀式が終わって次へ。
 
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 続いてはグラス割り。日本では割れる/壊れる/切れるなんていうのはお祝い事では嫌われる言葉ですが、こちらではなんと新郎新婦自らがグラスを割るわけです。
 紐で結ばれたシャンパングラスでシャンパンを飲み、その後2人で一斉にグラスを投げます。より粉々に砕けた方が良いのだとか。くだけた破片の分だけ幸せがやって来ると。
 実は新郎の弟の結婚式の時はこのグラスがものすごく頑丈で、ヒビすら入らず…結局足で踏んで粉々にしたなんていう映像を見ていたのです。今回は粉々に割れて良かった良かった。
 こうして会場へ入る前の儀式が終わっていよいよ会場内で披露宴開始です。
 
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 私が座った席のテーブルは左の様な感じ。既に前菜のお皿が置かれています。肉類の前菜(茹でタン/鶏肉のルレット(ロール状に巻いた冷菜)/ローストポーク等)、魚類の前菜(鱒系の燻製/鱒塩漬/鰊塩漬/おそらくオームリ(シロサケ科の魚バイカルの物が近場では有名)の塩漬等)、生野菜(胡瓜/二十日大根/トマト/パプリカ/ディル)、茹でタンとなめこのピクルスのサラダ、肉のサラダ、烏賊入りサラダ、果物(葡萄2種類/プラム/ネクタリン/みかん/桃/林檎等)
 ロシアのレストランでは規模によってバンド+歌手、歌手+ピアノやギターなんていうのが標準装備ですが、こちらは歌手+音響で時おり生歌のBGMが入りました。良い声でしたよ〜。
 

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 それにマグナムボトルのウォッカ、ワイン赤/白、イタリアのスピリッツ(名前は忘れました)、Морс(モルス/果汁の清涼飲料水=ジャムや砂糖煮の果実を水で割ったりする)、ガス入りガス無し水それぞれが置いててあります。
 私は本日このアゼルバイジャンの赤ワイン半甘一筋でいきました。
 味は…村で一般的に流通しているワインって殆どが凄く甘い(加糖している?)のでこう渋みがとか感じる前に「甘い!」という感じです(苦笑)
 私は渋みの強い赤ワインが好きですが、滅多にそういうワインに村近隣でお目にかかりません。うーん、多分ワインが好きな人は嫌いな味なのかもと思ったりもしますが。
 ワインと思わなければ別に不味いという味では有りません。葡萄の風味は軽やかで渋みはほとんど感じられないタイプでした。

 まずは新婦の母からお祝の言葉を述べるのが始まり、新郎の祖母、両親。そしてまた新婦の母からプレゼント→新郎の親戚から祝辞とプレゼントと続きます。
 その間招待客は自由に前菜をつまみ、出て来た料理を頂く形となります。但しお酒は別。これはやっぱりロシアで、誰かが乾杯の音頭をとると一斉に飲むと言う感じ。とはいえ、会場全体が一斉にと言うのはあまり無く、大抵が新郎側の出席者、新婦側の出席者がそれぞれ乾杯していました。

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 祝辞と祝辞+プレゼントの間に適宜司会者による新郎新婦のダンスタイム等を挟みつつ披露宴はすすみます。
 そんな中頂いた食事がこちら。左上から1人分ずつサーブされた前菜のサラダ、胡瓜/茹で鶏胸/トマト/茹で鶏腿/茹で豚/ハムで真ん中にマヨネーズがあるので混ぜながら頂く形。
 右上チーズはさみカツフライドポテト添え。ここまでが1人分ずつサーブされました。このカツ、今まで食べた日本食レストランの食事で一番違和感無く日本で出しても美味しいだろうと思える仕上りでした。衣のパン粉はこちらで言うスハリという細かい物であっさりカラッと上がっているし衣がちゃんと薄くて肉が厚い。そして中のチーズがクリーミーで濃厚。ソースもウスターソースに近い仕上りで美味しかった。付け合わせはフライドポテトじゃなくて千切りキャベツが良いけれど。
 あとボリュームがしっかり日本の定食で出て来る1人前と言うぐらい有ったのが嬉しい。とかくロシアでこういうおかず系を頼むと少量でばか高いので食べる気にならないけれど、これはこのカツとご飯に千切りキャベツのお弁当だったら買って帰っても良いとすら思います。
 続いて春巻き。これも皮は凄く良い感じに上がっていて好感が持てるのだけど、餡が春巻きの餡としては馴染みが無い組み合わせで頭の中で美味しいのか思案するといった味。鱒と烏賊をミンチにした物がつまっています。不味くは無いです。頭が混乱していただけで(苦笑)
 最後は羊のステーキ。ああ、やっぱりこれくらいの市になると、ちゃんとラムチョップ手に入るのですね。うう。いいなー。大蒜と塩こしょうの塩梅良く美味しかったです。
 これは一皿を数人でシェアする形だったのだけど、私3本も食べてしまいました。残ってたし。
 こちらのお店基本的に味つけはとてもバランス良くて(茸のピクルスは気をつけないと劇的に塩分と酸味が強すぎる物が有るのです)どれも美味しかったです。揚げ物は炒め揚げではなくちゃんとフライだし。ただ他の日本食メニューを見ていないので、果たしてここが日本食レストランか?と聞かれても披露宴のメニューでは全く判りません。写真ではどうやらスシも出しているらしい。
 パンは黒白揃っていました。白より黒の方が美味しかったかなこちらのお店は。
 途中からお箸を出して頂きより食べやすくなりました♪

 さて、この食事の間も時おりダンスタイムが入り、司会者考案のダンスをしつつゲーム何て言うのも入ります。ロシアの宴席の良いところは、勝手に外へ出て一服しようが涼もうが構わない事。
 その間もダンスを踊りまくる人あり、ただひたすら食べる人有り(私の事ですハイ)、外で一服する人ありで自由。
 新郎新婦も時々外へ出て記念撮影をします。
 
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 我が家も初々しい新郎新婦&両立会人と一緒に写真を取らせて頂きました。こうやって見ると意外に大きく無い人もいると判るでしょうロシア人。もちろん、背丈も横幅も大きい人もいるけれど、案外小さい人も多いです村の周り。
 我が家は連れ合い170㎝私159㎝とどちらも決して身長は高く無いです。

 昼間は昨日の雨が嘘の様に晴れ、汗をかく程厚くなりましたが、日が暮れるとやっぱり涼しくなるのが秋近いと言う感じです。
 途中から羽織りを羽織らないと肌寒く感じます。(今回は絽の着物に羅の帯でどちらも良く風を通すのです)
 どれくらい気温が下がったかといえば子供にすっぽりとプラトーク(大きなスカーフ)をかぶせるぐらい。
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ロシアでの結婚式に参加その2 披露宴編_d0170682_15515426.jpg  こうやって小さいうちから巻物を巻き続けてかっこ良く巻ける様になるんですねー。パパと一緒に。抱かれているときなんてもうプラトークにすっぽりうまっています。










 
 後半はダンスの時間が多くなり、いやはや踊りましたよダンス。程よく体を動かしたおかげで酔いつぶれずにすみました。今日は着付けもしっかりしておいたので踊っても来崩れず最後に一安心。
 ダンスは好きずきに踊る物から司会者考案の物から、伝統的にお祝の席で踊る物まで幅広く。やっぱりダンス好きなのねロシア人。

 さて、そろそろお開きの時間が近づいて来ると次へとすすみます。
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 ブーケトスとガータートス。ブーケトスは日本で見た事ありましたが、ガータートス私は初めて生で見ました。新郎は口で新婦の足からガーター取らないといけ無いので結構たいへんそうでしたよ。
 こうやって取るのが一般的なのかしら???
 どちらも1年以内に結婚したいという新婦の立会人カップルがキャッチしていました。男性の方はかなり阻まれていましたが。
 独身者が少ない招待客の中、この2人はもうものすごくあつあつで取る気満々だったのが可愛らしかった。

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 そしてそろそろ新郎新婦を迎えに車が来るという時間になると、最後の儀式。これはモルドヴァ風の花嫁の儀式。左上から右上、左下から右下に立会人がブーケを取り→マスカラ→口紅と塗って→髪を整えます。最後に真ん中のようにプラトーク(スカーフ)を頭に巻いて既婚者の装いにするのだそうです。
 これで独身ではなく既婚者になったと言う証。昔はこうやって結婚式でプラトークを頭に巻いたら、それ以降は毎日巻いていたのだそうです。
 
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 そんな新婦を新郎が迎えて、エプロンを着けると夫婦の完成?モルドヴァではこのプラトークのひだにご祝儀とは別にお札を挟むのが決まりの様なものだと以前に聞いていたので、気持程度連れ合いにはさみにいってもらいました。
 新郎はモルドヴァ出身ですが、赤ちゃんの頃に当時のソ連で今のロシアに入植しているため、既にモルドヴァの言葉はほとんど話せないそうですが、こうやって伝統的な儀式は取り入れているって素敵だと思いました。
(モルドヴァの表記は連れ合いの焼くによりこのブログではヴァで表記しています)

 この後新郎新婦が退場し、他の人も少しずつ帰宅。我が家も歩いて帰れる程近いのにタクシーを呼んでくれたので、有り難くタクシーで。
 最後までお店の人と写真を撮ったりして、一応日本人が田舎の日本食レストランに呼ばれた義務はきっちり果たして帰って来ました。
 
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 ところで、日本だと披露宴の1大イベントの一つと言えばウェディングケーキカットなんて有るかと思いますが、こちらのウェディングケーキ、用意はされていましたが…この日日の目を浴びる事は有りませんでした。
 そうです初ロシアの結婚式は1日で終らないのでした。

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Commented by petapeta_adeliae at 2011-08-03 12:45
よその国なら絽の着物も十分正装ですよ。
(浴衣以外はわからないいも)
それに色合いが(^_^)v
いろんな風習があるものですね。
今でも風習を大事守っているというところが
素敵です。
料理の数々に美味しそうって思ったけど、カテゴリーは日本料理なんですよね。ふふっ

刺繍された帯ですが、再婚したら使うつもりで、その刺繍のランチョンマットを買いました。
あれから20年きれいに畳んでドレッサーの奥にしまわれています。(-_-;)
Commented by etigoya13 at 2011-08-03 15:59
ソーニャさん
一応訪問着は持って来ているのですが、何せ袷の上に洗えないからいちいち日本へ持ち帰る事を考えるとちょっと躊躇してしまいました。まあ色合いもぐっと渋いですしね。そのかわりその場合は帯が凄く派手ですが、
風習は色々あるみたいで興味深いです。まあ彼のところはご両親はしっかり今でも自分達をルーマニア人とかモルドヴァ人と言うぐらいですから風習に習ったのかもしれません。
恐らく日本食として出て来たのはカツと春巻きと思われます。お店に来店した人の写真の中には寿司も有ったので普段はそういった物もメニューに有るのだと。
料理自体はおいしかったですよこのレストラン。
ランチョンマット…私の中では一番上手に使えないアイテムです(汗)
Commented by rakurakurakuko at 2011-08-05 16:29
芸術家さんの息子さん、披露宴も日本食レストランで行なうなんて、ほーんとに日本びいきなんですね~♪
お料理は日本人がイメージする和食とは違うけど、どれも美味しそうです!!
みんな幸せそうだし~♪
越後屋さんの着物姿も素敵だし、女の子のブラトーク巻いてるのがすっごく可愛い♪
こうした文化の違うところでの結婚式に立ち会えるってなかなか経験できないことなので良いですよね。
2日目のバーベキューも一気にみんな仲良くなりそうでいいわ~。
楽しい結婚式の様子を見せてくれてありがと~。(*^_^*)
Commented by etigoya13 at 2011-08-05 18:53
楽子さん
ねー、本当に日本びいきなんです。有り難い事ですね。この市は決して日本との繋がりが強いわけではないのにこれだけ好きでいてくれると言うのは。
料理美味しかったです。まあ寿司とか出てもちょっと困るとは思うのでカツぐらいが妥当なのかも。意外に皆さん普通に食べていたから。あのカツならお弁当で持って帰っても良いぐらいでした。(私揚げ物苦手だし 爆)
着物有り難うございます。一応最後までき崩れなかったので一安心です。
プラトーク似合っているでしょう〜、可愛かった♪
本当に、結婚式に招待してもらえるなんて幸運でした。楽しかった。
2日目はもうまったりみなさん好き勝手にしていて気楽で良かったです。私がガッツリ肉を食べることが出来たし。
良い経験でした。