Пасха(パスハ)の食卓 2019年
Христос Воскрес!
(フリストス ヴォスクレス!/主の復活)
Воистину Воскрес!
(ヴォイースティヌ ヴォスクレス!/誠に主の復活)
今年は芸術家さん宅でПасха(パスハ/復活祭:イースター)の会食を。
芸術家さんは術後でまだ疲れやすく、私は腰痛最高潮で杖なしでは歩けない。
その上2人共長時間椅子に座っているのが辛いということもあって途中からはソファーベットを大きく引き出しゴロゴロと横になりながら談笑し、また食べて、また横になってというなんとも怠惰なパスあの宴となりました。
集まる人数も少ないので、芸術家さんママ(今回は以前住んでいた地域に旅行中で不在)がいる時よりも料理は少なめですが、それでも部屋へ入った時点で既に常温の前菜が並んでいました。
宴を始める前にまずは茹で卵を選んで卵割り。
勝った人が今年一年いいことあるとかないとか。
私は早々に負け、芸術家さんご主人がが今年の幸運を勝ち得ていましたよ。
パスはといえばまずはПасха(パスハ/復活祭:イースター用カッテージチーズのデザート)は欠かせません。
上は私が作ったもの、下は以前滞在していたアパートオーナー夫人からのプレゼント。
我が家だけでは食べきれない上に干しぶどうが苦手の連れ合いがいてはなおのこと消費が進まないので手伝ってもらいました。
料理上手の夫人が作ると市販のトゥヴォーロクを使用していても滑らかで美味しいパスハに仕上がっていました。
飾り付けがさすが年季の入った正教徒という感じ。
芸術家さん宅のきゅうりのマリネに乗せたチーズボールもオーナー夫人からのもの。
中はぶどうが入っているものやトマトを入れたものなどそれぞれ違います。
マメだわー。
ビーツと胡桃とБрусника (ブルスニカ/コケモモ)のサラダ。
我が家は連れ合いがあまり加熱したビーツのサラダを好まないので生で作りますが、加熱すると甘みがまして柔らかく、胡桃の歯触りと違いが明確になって美味しいです。
時折弾けるブルスニカの甘酸っぱさもいい変化。
塩胡椒、植物油少々で和えて。
お好みでにんにくを入れても。
マヨネーズで和えるものとはまた違うビーツのサラダです。
酢で和えるビネグレードサラダとも違ってかなり優しい味わいです。
くるみの代わりにみじん切り大蒜を散らすサラダもありますからお好みで作り分けてみてくださいね。
↓リンクのレシピのマヨネーズを植物油に変え薄めの塩味で整えると完成です。
痛めた野菜と鶏肉のサラダ。(マヨネーズ和え)
芸術家さんママが料理を担当するときは本人が好きな生玉葱入りのサラダが多くなるのだけれど、今回芸術家さんが作っているので生玉葱アレルギーの私も大丈夫な用に玉葱入りのものは痛めたものだけに。
逆に別の知人は加熱した玉葱がダメなので、彼女様には別のサラダが用意されていました。
村の宴会ではサラダが数種類出ることが多いけれど、生野菜のサラダは少ない&生野菜プレートはサラダという括りではなくただの野菜プレートとして扱われることが多いです。
日本の様な葉物野菜のサラダをこの季節村で作ることができる様になったのはここ数年のことでしょうか。
時々店に入荷するリーフミックスを手に入れることができればという感じです。
まだまだ高いのでやっぱり定番の加熱した野菜のサラダが多く出てきます。
真冬の宴会でも生で出て来る数少ないサラダの一つがこちらのキャベツのサラダ。
今の季節生のКлюква(クリュークワ/ツルコケモモ・クランベリー)は手に入らないので冷凍ものです。
芸術家さんは夏の間にクリュークワやБрусника (ブルスニカ/コケモモ)を沢山摘んで冬のビタミン源として例としておくのが定番なのでこのサラダは今の季節の定番なのだとか。
確かに味がしっかりした他の料理のいい箸休めになる。
↓下記レシピからコケモモの漬物をクリュークワに変更し塩漬け発酵キャベツを除いて作ると同じ様な感じに。
クリュークワやブルスニカはともに保存性の高いベリーで、そのまま冷蔵庫でもかなり長持ちしますが、冷凍や漬物にするとより長持ちに。
私は主に漬物をサラダにすることが多いのだけれど、この滞在中はいただいた冷凍クリュークワやブルスニカを使ってサラダにしてみよう。
↓ブルスニカやクリュークワの保存に向いています。肉料理の付け合わせにもなりますよ。
茹でたにんじん/胡桃/プルーン/鶏肉のサラダ。(塩味)
こちらも宴席定番サラダの一つ。
塩味はごく弱めで好みでマヨネーズを乗せたり塩を振ったりして食べる人も。
優しい味わいです。
我が家からは人参と塩漬け発酵胡瓜とツナのサラダ。
今回利用のツナ缶がなんとフレークではなく筒切りのツナ缶だったのでちょっと魚の味が強すぎたけれど、フレークで作るときのこのサラダは優しい味わいで気に入っています。
漬物の塩気で食べるのであまり調味料を入れなくても美味しくにんじんの甘みが引き立つおすすめサラダ。
このサラダにはフレークのツナがおすすめです。
魚の前菜は芸術家さんご主人が釣ってきたОкунь(オークニ/ペルカ属の魚)の揚げ焼き。
氷上釣りは村といえどそろそろ終わり、今シーズン最後の氷上釣りだったのかな?
私はオークニの食べ方は温燻の次にこの揚げ焼きが好き。
簡素にして美味。
そりゃー新鮮だしね。
私からВетчина(ヴェチュナ/ハム)を。
前に滞在していたアパートの衛星放送で通販番組を見ていて、作って見たいな〜と思っていたもの。
その通販番組で売っていた型が値段も安く村のお店に入荷していたので買っておいたのだ。
これは色々楽しめそう。
日本だったらタコ糸で縛ってオーブン焼きが最も簡単だけれど、通販番組の調理例を見ると、オーブン化の調理用袋にぶつ切り肉や挽肉を詰めてこの方へ入れて焼いたり蒸したり茹でたりする方法もある様なので、試して見るつもり。
もっとしっかり袋を閉めてもう少し多い肉で作らないと縮んて圧がうまくかからなくなるとわかったので次はもう少し綺麗な形になる様に調整しなきゃ。
この型へ入れて焼くなら骨つきでない塊肉が買える日本の肉屋の方が便利だわ村より。
前回の滞在中に買った私の台所用おもちゃ。
しばらく楽しめそうですよ。
ここから温かい前菜が出てきました。
私の大好物芸術家さんの作るЖюльен(ジュリエン/茸のクリーム焼き)。
いつもは細かめに切ったБелый гриб(ベールィグリブ/白きのこ:ヤマドリダケ)だけれど、今日はかなり細かくミンチの様にしたもので作っていました。
黒パンに乗せてこれはパン泥棒だよ。
↓レシピでは小麦粉も入れていますが、入れずに仕上げても美味しいです。(その方が簡単)
村に来たばかりの頃「丸鶏のグリルとかはメインでは?」と思ったものですが、何年体験してもメインではなく温かい前菜扱い。
魚のオーブン焼きなどもこの温かい前菜のカテゴリーで出て来ます。
私は大抵この時点でかなりお腹いっぱいになってメインへ手が伸びにくくなるのが困りもの。
単純なのだけれどやっぱり美味しいのよね。
自家栽培の馬鈴薯は最高。
温かい前菜の後しばしみんなゴロゴロしたり時折テレビを見たり談笑したりしているうちに芸術家さんご主人が消える。
聞けばメインを仕上げに庭に出たと。
庭へ出て見るとまさに薪を炭にしているところ。
そこから炭になり網をおいて焼いたのが本日のメイン。
Мититеи(ミティテェイ/モルドヴァの挽肉料理)
今日の肉も次男妻の実家(肉牛や羊を飼育している)からという美味しい肉使用。
それを粗めに挽いているので食感が違います。
我が家はこの粗めのミティェイが好き。
オーブン焼きも作ったことがあるけれど、やっぱり炭火が一番美味しいです。
日本だったらグリルで調整しながら焼くのが美味しいかも。
戻ったらグリルで試してみたい。
メインが終わると今度はお茶の時間。滝汗
お腹いっぱいではあるけれど、パスハではクリーチとパスハ(デザートの方)は欠かせないものなのでいただきます。
クリーチ自体もかなりリッチな菓子パンなのだけれど、そこにパスハをてんこ盛りで食べるのだからそのカロリーたるや…。
でも美味しいよね確かに。
パスハは黒パンに塗っても美味しいので普段も作ってもいいかもって思っていて思い出しました。
フィンランドのスーパーなら通年パスハ売っているのを。
やっぱり美味しいと行事食だけでなく食べたくなりますね。
アルコール以外の清涼飲料水も自家製。
今回は姫リンゴの様な小さい酸味強いリンゴをКомпот(カンポート/果物のシロップ煮のシロップを水で薄めた飲みもの)を水で薄めたもの。
酸味が程よくて美味しかった。
この蓋つきピッチャーがまたソ連時代から使用しているもので味わい深いのです。
芸術家さん宅には新しい食器もあるけれど、こういう宴席の時はソ連時代からの食器やカトラリーを使うことも多く、なかなか貴重な体験です。
スプーンとかフォークには一桁の数字とкоп(копйкаコペイカ/ルーブルの下の単位の通過で日本円なら銭とに近い単位)表記も。
今では考えられない価格です。
今日もよく食べ笑い楽しいひと時でした、腰痛を除けば。
家にはまだオーナー夫人からいただいた肉前菜が…。
これから数日かけて消費します。
レバーペーストを中心に、うずらの卵のゆで卵を野菜入り挽肉で包んだもの、茹でたタン、プルーン入り豚肉、茹でた牛の肉前菜勢揃いプレート。
もうマメすぎて脱帽です。
今日は食べ過ぎ!
明日から節制せねば。
今までのパスハの様子はこちら。
日々の生活の様子はこちらで紹介中 「丁寧な生活をゆっくりと2」
旧ブログ「丁寧な生活をゆっくりと」
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by etigoya13
| 2019-04-28 23:57
| 行事食
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